休むことは、止まることではない
今日も現場に向かう私が考えた、人生後半の予防保全
今日からお盆休みという方も多いのではないでしょうか。
帰省する人。
お墓参りに行く人。
家族との時間を過ごす人。
そんな中、私は今日も仕事です。
今日の現場は、自衛隊仙台病院。
クリーン機器のサービスマンとして、いつもと変わらず現場へ向かいます。
お盆だからといって、すべての仕事が止まるわけではありません。
病院をはじめ、人の命や暮らしを支える場所では、休みの間も誰かが働いています。
私も、その仕事を支える一人として、今日の役割を果たしてきます。
だから今日は、
「休みなのだから、仕事をせずに休みましょう」
という話をしたいわけではありません。
仕事がある日は、仕事をする。
責任があるなら、その役割を果たす。
でも、自分の体が出しているサインまで無視していいわけではない。
今日休めないなら、いつ休むのか。
どこで点検し、どこで止まり、どうやって自分を長持ちさせていくのか。
現場へ向かう自分自身への戒めも込めて、今日は「休むこと」を予防保全の視点から考えてみます。
休めない日があるから、休む日を先に決める
機械の点検も、いつでも好きなときにできるわけではありません。
生産や研究、医療への影響を考えながら、設備を止められる時間を調整します。
人間も同じです。
仕事や家庭の事情で、休みたくても休めない日はあります。
今日の私が、まさにそうです。
でも、
「休めないのだから仕方がない」
で終わらせてしまうと、いつまでも休めません。
今日休めないなら、いつ休むのか。
現場が終わったあと、何を減らせるのか。
今夜は何時に寝るのか。
次に体を整える時間を、どこに入れるのか。
そこまで決めて、初めて予防保全になるのだと思います。
機械も、稼働中に点検できなければ、次に停止できる日時を決めます。
人間も、限界まで動き続けるのではなく、休める時間を先に確保しておく。
今日も現場へ向かう。
でも、今日も無理を重ねていいわけではありません。
仕事を続けることと、自分を大切にすること。
その両方を成り立たせることが、人生後半の予防保全なのだと思います。
機械は、壊れる前に止める
私は仕事柄、東北各地の現場を走り回っています。
現場が続くと、どうしても目の前の仕事を終わらせることが最優先になります。
疲れていても動く。
腰が痛くても、もう少し頑張る。
休むより、先に仕事を片づけようとする。
そして、
「まだ動けるから大丈夫」
と思ってしまいます。
でも、クリーン機器のサービスマンとして考えると、これは少しおかしな話です。
機械なら、壊れる前に止めて点検する大切さを知っている。
それなのに、自分の体になると、完全に動けなくなるまで使おうとしてしまう。
設備には「計画停止」があります。
故障して止まるのではありません。
故障させないために、あらかじめ止めるのです。
運転を止め、内部を点検し、汚れを落とし、消耗した部品を交換する。
何も問題が起きていないように見えるときに止めるからこそ、大きな故障を防げることがあります。
完全に壊れてから止まるのと、自分で時期を決めて止まるのとでは、意味がまったく違います。
人間も、同じではないでしょうか。
「動ける」と「問題がない」は同じではない
機械は、異常があってもすぐに止まるとは限りません。
いつもと違う音がする。
わずかに振動が増えている。
風量が少し落ちている。
部品が少しずつ摩耗している。
それでも、しばらく動き続けることがあります。
だから、
「動いているから正常」
とは言い切れません。
人間の体も同じです。
仕事に行ける。
車を運転できる。
食事もできる。
普段どおり会話もできる。
それでも、問題がないとは限りません。
疲れが抜けない。
朝、起きるのがつらい。
痛みを我慢している。
眠りが浅い。
食欲や体重が変化した。
以前より、同じことをするのがきつくなった。
こうした小さな変化は、体から届いている「点検依頼」なのかもしれません。
もちろん、一つの違和感だけで重大な病気だと決めつける必要はありません。
でも、
「まだ動けるから大丈夫」
だけで片づけないことは大切です。
私も「まだ大丈夫」と思っていた
私は過去に、ステージ4のがんを経験しました。
最初に現れた異変は、口の中でした。
頬の内側にくぼみができ、ご飯粒がたまるようになったのです。
しばらくすると、少し痛みも出てきました。
ところが、その少し前に受けた健康診断の結果は、とても良好でした。
数値が良かったこともあり、まさか自分に大きな病気があるとは思っていませんでした。
それでも口の中の違和感が続いたため、行きつけの歯科医院を受診しました。
先生は診察するとすぐ、
「これは、ここでは治せません」
と言い、大学病院への紹介状を書いてくれました。
検査の結果、下顎歯肉がんが見つかりました。
健康診断の数値が良好でも、体が出しているサインを無視していいわけではなかったのです。
検査の数値と、自分の感覚。
どちらか一方だけではなく、両方を見る。
そして、異変が続くなら、自己判断だけで終わらせず、専門家に相談する。
これは、自分自身の経験から強く感じていることです。
人間は、休むことに罪悪感を持ちやすい
機械の計画停止は、必要な仕事として認められています。
ところが、人間が休もうとすると、
「怠けていると思われないだろうか」
「自分だけ休んでいいのだろうか」
「今止まったら、周りに追い越されるのではないか」
そんな気持ちが出てくることがあります。
特に真面目な人や責任感の強い人ほど、自分の不調より、仕事や家族を優先しがちです。
人生後半になると、残された時間を意識することもあります。
まだやりたいことがある。
早く結果を出したい。
止まっている暇はない。
私自身、そう思うことがあります。
でも、長く動き続けたいからこそ、止まる時間が必要なのだと思います。
休むことは、前へ進むことの反対ではありません。
これからも前へ進むために、自分を整備する時間です。
お盆を、自分の「定期点検」にする
お盆は、亡くなった人やご先祖様とのつながりを思い出す時期です。
同時に、自分が今ここに生きていることを確かめる時間でもあると思います。
毎日忙しく動いていると、自分の状態を見る機会はなかなかありません。
仕事の予定は確認しても、自分の心と体の状態までは確認しない。
機械の点検表は作っても、自分自身の点検表は持っていない。
だから、このお盆を自分自身の「定期点検」にしてみてはどうでしょうか。
大げさなことをする必要はありません。
少し長く眠る。
予定を詰め込みすぎない。
何もしない時間をつくる。
会いたかった人に会う。
ご先祖様に手を合わせる。
体に気になる変化がないか振り返る。
後回しにしていた診察や検査について考える。
そして、
「これから何を大切にして生きたいのか」
と、自分に問いかけてみる。
そうした時間も、人生後半の予防保全だと思います。
休んでも戻らないなら、「疲れ」で片づけない
ただし、休めばすべて解決するわけではありません。
十分に眠っても疲れが抜けない。
痛みや違和感が長く続いている。
食欲や体重が大きく変わった。
日常生活に影響が出ている。
そんな場合は、
「年齢のせいだろう」
「疲れているだけだろう」
と決めつけず、医療機関へ相談することも必要です。
私は医師ではありません。
特定の健康法で病気を防げる、治せると言うこともできません。
人によって体の状態も、必要な対応も違います。
だからこそ、自分だけで判断しない。
休むこと。
変化を観察すること。
必要な検査を受けること。
専門家に相談すること。
状況に応じて組み合わせることが、人間の予防保全なのだと思います。
予定表に「何もしない」を入れる
休みは、時間が余ったら取るもの。
そう考えていると、たいてい時間は余りません。
仕事。
家の用事。
人との約束。
発信。
勉強。
やることはいくらでも増えていきます。
機械の定期点検も、
「暇になったらやろう」
では、いつまでも実施できません。
だから、先に日程を決めます。
人間も同じです。
予定表の空いたところで休むのではなく、先に休む時間を確保する。
「午前中は何もしない」
「今日は早く寝る」
「この時間はスマホを見ない」
そんな予定があってもいい。
何もしない時間は、空白ではありません。
次に動くための整備時間です。
今日、自分に三つだけ聞いてみる
今日は、自分に三つだけ聞いてみてください。
最近、無理をして動き続けていないか
先送りにしている痛みや違和感はないか
次に体と心を休ませる時間は、いつなのか
全部を一度に変える必要はありません。
今日は少し早く寝る。
気になっている症状をメモする。
休み明けに受診できる病院を調べる。
一つだけ予定を減らす。
その中から、一つでいい。
「休もうと思う」で終わらせず、今日の予定表に入れてみてください。
長く現役でいるために
私は、これからも現場の仕事を続けたいと思っています。
発信も続けたい。
美味しいものも食べたい。
新しいことにも挑戦したい。
人生後半を、消化試合にはしたくありません。
だからこそ、動き続けることだけを正解にしない。
壊れてから止まるのではなく、自分の意思で止まる。
止まって、点検する。
必要なら手を入れる。
そして、また動き出す。
休むことは、人生を諦めることではありません。
やりたいことを、これからも続けていくための予防保全です。
私は今日も、自衛隊仙台病院の現場へ向かいます。
今日の仕事をきちんと終える。
そして仕事が終わったら、自分の体の状態にも目を向ける。
今日休めないのなら、次に休める時間を決めておく。
長く現役でいるために、働くことと休むこと。
どちらも大切にしていきたいと思います。
――へろっさん
人生後半世代のワクワク挑戦ナビゲーター
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機械も人間も、長く動き続けるためには、壊れる前の点検と整備が欠かせません。
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次の木曜日も一緒に、自分の体と人生を点検していきましょう。


